英語できないけどイギリスの大学院に行く。

英語ができないけどイギリスの大学院に行きます。

B棟2階2号室

「体験記には旧帝大から米国トップ校に合格する話が多いですが(中略)もっと身近に感じてもらえれば」とコメントされた合格体験記をほうほう、と思いながら読みに行ったら慶応大学の方だったのでとぼとぼ帰ってきました。身近とは。

これまで2つの大学院留学コミュニティに入ってみたのですが(入っただけ)、片方は米国理系がメインで、めちゃくちゃ頭のいい人たちばかりで完全に私は場違いです。ありがとうございます。

 

今日は寮が決まったので備忘しておこうと思い、久々に筆を執りました。

M大学には大学寮が20あり、留学生は希望すれば必ず入れますと保証されています。合格が決まったら(条件付きの人も)第5希望まで申請しておき、6月から順次割り当てられます。

私は「メインキャンパスから近くてEn suite(シャワー付きベッドルーム・キッチン共用)」が絶対の条件です。条件に当てはまる寮は4か所しかなかったので、もう1か所はメインキャンパスからは10分くらいあるけど中心地近くのEn suiteを選んで申請しました。

それでしばらく放置していたのですが、ここにきて突然、イギリス大学院社会人留学先輩から「宿は慎重に慎重を重ねて決めるべし」とのメッセージがきました。そう言われても今更…と思いながらもアプライを見直したら、衝撃の事実が記載されていました。

「第5希望まで聞いたけど、希望に沿うとは限らないんで」

まじか。あのメインキャンパスから徒歩30分以上のシャワー・キッチン共同の寮になる可能性もあるんだ…しかも私は条件付き合格なので、割り当ててもらえるのは9月に正式合格をもらってからです。賭けるにはリスクがでかすぎる。

 

慌てて民間寮を検索してみましたが、条件のいいところは当然すでに満室になっています。大学の周りにたくさんあることはあるんだけど、大学周辺は夜になると暗そうな雰囲気なのでなるべく近くで…高すぎなくて…と探してみると1件だけ悪くなさそうな民間寮が残っていました。

とりあえず斡旋サイトに登録して「この寮気になってるんですけど」くらいの気持ちでenquiryボタンを押しました。押すやいなや、メールとショートメッセージとWhatsAppにメッセージが入って、そのうえ電話まで。もちろん居留守です。WhatsAppでやりとりすることにして、送られてきたメッセージは即deeplにぶち込んでいきます。

スタッフさんはだいぶ強引でした。「質問ありますか?」とかじゃなくて「詳細送るから!2時間以内には契約書作っとくけど質問ある?!」くらいの感じ。まぁ他に候補もなかったし、大学寮の申請のキャンセルを済ませてからにしたかったけど、翌日もまた「契約書読んだ?手続き進んでる??」「保証人の生年月日が入力されてないんだけど!!!」とメッセージがきたりして、あんまり急かすんで怪しいかなと思ったんですけど、斡旋会社の口コミも悪くなかったので観念して契約を済ませました。引き延ばしてる間に部屋がなくなってもアレだし。

というわけで、コースの建物から徒歩7分の民間寮に契約しました。入寮日とかは選べないタイプで、£8,261/51wです。今ポンドが高くなっているのでだいたい130万円。一応想定の範囲内だけどこれ以上ポンドが上がるとまずい。

 

ちなみに割り当てられた部屋は2階のようです。あちらのエレベーターは壊れがちなので良かった。ホームベーカリーを使っても下の階から苦情きたりしなさそうだし。

 

FINDING-2:希望的観測は本当に危険。

 

 

AGIに全振りしている件について。

AGIはAgilityの略で、RPGゲームなどで使用されるキャラクタのステータスのひとつです。これにたくさんポイントを振ると、回避率の高いキャラクタを作成できます。他にはSTR(攻撃力)、DEF(防御力)、INT(魔法攻撃力)、LUK(運)などがあります。私が好きなのはAGI-LUK型です。

 

イギリス大学院留学の準備において、もっとも面倒で時間がかかるのが英語要件だと思います。すなわちIELTSです。これを回避したことについては、既に紹介させていただきました。

 

busydoingnothing.hatenablog.jp

 イギリス大学院留学の準備において、2番目に面倒で時間がかかるのが「Personal Statement(PS)」です。いわゆる自己PRです。これまでの研究歴や職歴と、その大学もしくは専攻の志望動機、そして将来どう生かしたいか、などをA4で1枚程度にまとめて提出するあれです。もちろん英語です。英語で書くのも大変ですが、合否を左右する重要な書類ですので、内容にも時間をかけます。留学エージェントで添削してもらったりする場合もあります。

なんと私は、これも回避しました。というのも、第一希望の大学では提出を求められなかったからです。やったね。

すなわち私は一切の面倒ごとを回避して留学することになります。金だけ貯めた。あとで痛い目にあうこと間違いなしです。

 

もちろん、他の志望校ではPSの提出を要求されていたので、複数校出願するならPSを用意しなければならなかったのですが、せっかく出さなくてもいいところを第一志望にしているのに、面倒な作業をあえてするのもなー…と思い、1校しか出願しませんでした!落ちた時のことは落ちた時考えようと思いました!!受かって良かったね!!!

いやそうなると「合否の審査って…?早い者勝ち?」ってなるかと思いますが、まぁ多分、M大の哲学専攻は早い者勝ちなんですけど、一応Sample Essayの提出が求められました。これはPSの代わりというわけではなく、私が調べた限り、どこの大学でも哲学専攻はたいていこのSample Essayが要求されます。エッセイの内容に関しては、なんでもいいってところもあれば、哲学的な内容で、とざっくり指定してくるところもあります。文字数も、ダラムが5000ワード、KCLが3000ワード、バーミンガムは「ペーパー1枚程度」だったかな?

エージェントさんから「大学のレポートを英訳したらいいのでは?」とアドバイスをいただきましたが、何年前だと思ってますか。卒論すら紛失しています。仕方がないので、先日ご説明しましたNCUKのコースのdissertation(5000ワード)を提出しました。

すなわち、NCUKのコースに通うことでIELTSを回避し、かつネイティブの添削を受けた5000ワードのSample Essayを用意できたわけです。一石二鳥NCUK。

こうして英語ができず、留学の目的意識もぼんやりしたままの中年留学生が誕生しました。中年が持っているのはお金だけです。(それもだいぶ目減りしたうえにポンドが爆上がりしていて死にそうです)

 

 

続報:FBに仲間を探しに行く。

”こんにちは。pcrです。日本出身です。MA Philosophyのオファーを持っています。しかしそれは条件付きなので、pre-sessionalコースを受講する予定です。マンチェスターでみなさんと一緒に勉強するのが待ちきれません。" 

 

そんな発言をFBのオファーホルダーグループに上げたのが日曜日のことです。

busydoingnothing.hatenablog.jp

無難さを重視しました。かつ、「~の人いる?」とか「gcあったら教えて」などの問いかけ文を使用すると返信がなかったときに精神が削られるので、一方的な自己紹介を心がけました。SNSにおけるリスクマネージメントに自信あり☺

 

1週間経過してわかったことは、FBのグループは入り口でしかなかったということです。そりゃそうだ。3600人もいて機能するわけがない。

FBのグループに入っただけでは何の情報も得られませんし、仲間も見つかりません。FB内で自己紹介をすることで、外部グループチャットへのお誘いがかかり、その外部グループチャットは基本的にコースとか出身国といったカテゴリーで作られているのでFBよりも人数が少なく、そこでやっと情報共有などの機能が果たされます。

いうなればFBは表玄関です。

私はありがたいことに「post-gradのグループチャットがあるからよかったらどうぞ」というお誘いをいただくことができました。Whatsapp内で運営されているグループです。ここも130人くらいいる大所帯なのですが、たまに「CAS来た人おる?」「まだじゃね?」みたいな会話がポツポツとされています。

 

仲間探しの旅を終え(早い)、私は学習しました。どのFBグループに申請を出せばいいかと数週間悩んでどこにも申請せずにいた時間は完全に無駄でした。悩むぐらいなら全部に申請しても良かったくらいです。

 

FINDING-1:凡人に悩む暇なし。

 

気づきをリスト化していくというアイデアを今思いついたので早速採用しました。留学を終えるころにはFINDING-100くらいまでになっていればいいなと思います。

余談なんですが、まぁ全部余談みたいなもんですけど、post-grad chatの方で、「日本は美しい国だと聞いています。いつか行ってみたいといつも思ってます」というメッセージをくださった方がいらしたのですが、私は素直に「ありがとう。そう言ってもらえて本当に嬉しい。なぜならここのところ、自分の国を嫌いにならざるを得ないようなニュースが多すぎるから」とはじめましての方に愚痴ってしまいました。私としたことが。言われた相手が困るであろうことは容易に想像されます。

日本語だったら、「政府まじムカつくけど飯美味いから来て★」みたいなニュアンスで冗談にできるけど、英語だとそれが難しいので直球になってしまう。ただ逆に、冗談にしないことで本当に言いたいことを言えたと言えなくもない。

「今はどこの国も多かれ少なかれそういう状態だと思う。あらゆる面でパーフェクトということはないから、だから私は日本のいいところに思いを馳せるよ!」みたいな雰囲気の(訳せない)返事をもらいました。私の英語ではその辺までが限界だったので、リラックマが"Thanks!"って言ってるスタンプを返信しました。

FBに仲間を探しに行く。

オープンキャンパスで配信されたプロモーション動画によると、私が進学する(予定の)コースは、例年学生数は10~15人とのことです。思った以上に少なくて早くも死にかけました。

私は比較的孤独を愛するタイプなのですが、提出物の期限も聞き取れない私が一匹狼を気取ったところで野垂れ死ぬであろうことは火を見るよりも明らかなので、「最高の仲間たち!出会いに感謝!出会いに感謝!」と陽気な掛け声で自らを鼓舞しながらフェイスブックにログインし、大学名でグループを検索しました。

グループが乱立していてどれに入ればいいかわからないのでとりあえず適当に、”M大学2021年オファーホルダーグループ”みたいなところに入れてもらいました。

それから数日、黙して発言を眺めているのですが、ノリが若い。「ハイ!私ジェニファー!psychologyの人おる?GCsあったら誘って!ちな私のscはxxx!」みたいな。GCsはグループチャット、scはsnapchatというアプリのことのようです。

よく考えたら、学部生もたくさんいるんですよね。そりゃ若いわ。

それと、中国からの留学生の割合が高いはずなんですが、ほとんど見かけない。そのグループでは、留学生はインドからの方が圧倒的に多い。中国人は中国人コミュニティがすごくしっかりしていると聞くけど、そちらでコミュニケーションをとっているのかな。

追記:グレートファイアーウォールの存在により、中国国内ではFBは使えないって知らなかった…。

 

とりあえず週末中に勇気を出して自己紹介してみようと思う。(誰かのをコピペする)

三重苦だけどイギリスの大学院に行きます。

前回、英語ができないけどイギリスの大学院に行く話をしました。

実は、それ以外にもわりとでけえ負荷を背負って渡英します。

 

①記憶力と体力がヤバい。

本当は去年(2020年9月)から渡英する予定でしたが、パンデミック下ということで1年入学を延期しました。新卒ではないのでさらっと延期を決められても良さそうなものですが、だいぶ悩みました。なぜなら、1年延期することで1年分更年期を迎える可能性が増えるからです。

そういう年齢です。当然、若者と比べて記憶力が断然ヤバい。何度聞いても米津玄師の読み方が覚えられない。不安な夜には「40代 50代 医学部」などの検索をして「私も頑張れる」と3回唱えて眠りにつきます。

もちろん、体力もヤバい。大学院留学している方の「また徹夜」といったツイートを見るたびに母のまなざしになります。私ぐらいになると0時まで起きていられません。

半分の記憶力で半分の時間しかない、とおおざっぱすぎる仮定をすると4倍の能力を持っていないと彼らには並べません。にもかかわらず英語ができない。すごい。よく行くな。

もちろん渡英中に更年期障害がはじまるかもしれません。桂枝茯苓丸をイギリスで手に入れる方法を検索しておかなければならない。

 

②専攻がガチで鬼。

何を思ったかMA Philosophyです。学部と違う専攻に入るのはなかなか難しいと聞いたので、仕方がありません。しかも卒業してから何年経ったか知りません。

哲学とか、ほんと入門書すら日本語で読んでもわからんのですが、いやほんとよく行くな。

 

主人公はひのきのぼうとぬののふくでマンチェスターに行く。

 

上記2点と英語ができない点をあわせて3重苦です。なんでそんな最弱装備でイギリスの大学院くんだりまで行くかというと、ちょっと個人的な話になりますが、っていうか全部個人的な話なんですけど、人生折り返し辺りになって振り返った時、1番楽しかった1年というのがウィーンに語学留学していた年でした。1番頑張った1年というのが、博士論文を書いた年でした。

人生後半、特に目標とかイベントとかなくてなんだかつまんなさそうだから、これまでの「1番楽しかった」と「1番頑張った」を更新してえなー!みたいな。軽いノリです。軽いノリに頑張って貯めた800万円使いきります。

 

*ちなみに博士課程は哲学ではないです

*こう書くと「ドイツ語ができるPhDもち」みたいでなんだかすごそうですがウィーンでは遊んで暮らしててドイツ語とか挨拶しかできないし、PhDも理系なのでわりと時間とお金で取れるやつです

 

英語できないけどイギリスの大学院に行きます。

行きます、とか言ってるけどpre-sessionalで成績悪かったら行けないのでとても恥ずかしい事になる。

 

私は英語ができません。全然、とは言わない。でもかなり、できない。2021年にイギリスの大学院に留学する人の中で一番できない可能性が高い。

「そうはいっても、大学院留学には英語要件があるでしょう?」というコメントは鋭い。大学によって違うけど、IELTSで6.5とか7.0以上が必要。でも私はIELTSを今まで一度も受けたことがない。

 

そう、金で解決した。

 

具体的には、NCUKという謎のsosikiが各国で開講しているコースに通うと、NCUK提携の大学にノーアイエルツで進学できるというシステムを利用しました。コース(11ヶ月)の学費120万円で大学院への切符を手にするのです。

で、私はこのNCUKのコースを卒業し、IELTS6.5相当というアセスメントを提携大学に提出して、その大学から「pre-sessional(留学生用の英語コース)受ければ入学可」というconditional offer(条件付き合格)をもらったわけです。

このpre-sessionalというのも60~70万円かかるので、私は英語できないけど190万円支払って、イギリスの大学院に行きます。

 

あ、誤解のないように付け加えておきますが、このNUCKのコース、私のような企みで入ってくる人は少ないです。ほとんどの生徒はイギリス大学院で最大の成果を得るべく、論文の書き方や授業準備の仕方を学びにきています。英語も頑張って勉強していたし、本当に尊敬できる子ばかりでした。「金で解決」とか言ってるのは私だけです。