英語できないけどイギリスの大学院に行く。

英語ができないけどイギリスの大学院に行きます。

英語を使わずに挑むイギリス大学院留学。

英語をほぼ使わずにもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。誇張なしにほぼ使ってません。

 

①生活

私の住んでいる民間寮のフラットは、私以外は3人の中国の子です。3人とも、というか私を含めて4人とも英語がそんなに得意ではないので、キッチンで談笑とかしません。というかできません。私以外の3人はしてます。中国語で。

なので、キッチンで会えば挨拶くらいはしますが、「寒いですね。」「そうですね。」くらいです。何か問題があれば、具体的には一度、誰かが冷蔵庫の元スイッチを間違えて切ってしまって冷蔵庫内の温度が室温になる事件があったのですが、そういうときはWeChatにグループを作ってあるのでそこで連絡がきます。全員英語が得意ではないので、難しい文章は送られてこないので安心です。

 

②買い物

冷蔵庫が小さいサイズのものを4人で使うというなかなかのハードさなので、買い物には頻繁に行く必要があります。しかしもはや、どのお店もセルフレジなので店員さんとの会話などありません。黙々とセルフレジです。

先日、全然外食をしていないことに気づいてみんな大好きナンドスに入ったのですが、テーブルに貼ってあるQRコードを読み込んで席番号を入力し、スマホで注文・支払いするシステムでしたのでカウンターで注文する必要もありませんでした。黙々と芋を食いました。

 

③交通

寮から大学までは5~10分、市街地までは30分なので大抵歩きます。英語要りません。一度、市街地からの帰りが遅くなったのでバスに乗りましたが、目的地を言ってコンタクトレスのクレカでピッだけなので目的地の発音さえ練習してあれば問題ありません。どのバスに乗ればいいかなどは全部Google MAPさんが教えてくれます。英語要りません。

 

④アクティビティ

アクティビティ(笑)。アクティビティといっても週に1回の映画しかないんですけど。シティセンターもわりと遠いし、何もないと本当に引きこもってしまうと思い、ODEONのサブスクに登録しました。映画見放題です。£9.99からはじまって、毎月£3ずつ値上がりするという仕組みです。週1だといまいち元が取れないことに気づき、最短契約期間の3ヶ月で解約する予定です。年末年始日本帰るしね。で、これもオンラインでチケットを買って入り口でバーコードを見せるだけなので英語要りません。あとどの映画もめちゃくちゃ空いているので隣のイギリス人に話しかけられた、みたいな紀行エピソード的なものは決してありませんので英語要りません。映画を楽しむには英語が要ります!!!!!!DUNE全然わからなかったな!あ、DUNEはIMAXで観たほうが良いと言われたのでODEONではなくVUEに行きました。こっちは席埋まってた。みんなODEONじゃなくてVUEに行ってるのか…。

あと、10月の末にSLEEP WALKING ANIMALSのライブに行ったのですが、これもオンラインでチケットを買って、入り口でお兄さんにバーコードを見せるだけです。日本と違ってワンドリンク制みたいなものはないので、バーカウンターで何か頼まなければいけないということもありません。ノーイングリッシュです。

 

⑤授業

さて、本番の授業です。まさかの英語が要りません。予習ですが、どの授業も1~2本の論文が課題で出ていますのでこれを読む必要があります。しかし私たちには高性能無料翻訳ソフトDeepLがあります。最初こそわからないところだけDeepLにお世話になろうみたいな志がありましたが絶対に週4本以上論文を、しかも哲学論文を読むとかご飯以外起きてる間は勉強してても間に合いません。ので、全部DeepLです。段落ごとにDeepLにコピペします。で、翻訳を読んで日本語でノートに内容をまとめます。日本語で。翻訳を読んであまりにも意味不明なところだけ英語をみます。でもだいたいわかりません。そういう時は飛ばせばいいだけです。あとは事前に授業スライドがポータルにアップされるのでそれもDeepLにかけます。以上予習終わり。

それで授業に挑みます。先生の言っていることは聞き取れませんが、当てられて答えさせられるということはないので問題ありません。問題は、グループディスカッションです。どの授業も授業中に複数回10~15分程度のディスカッションがあります。最大の難関ですが、誰かが喋ってくれるので頷いていればOKです。これまでにディスカッション中に「どう思う?」と聞かれたのは1回だけです。中国の子が気を利かせて聞いてくれたのですが、たまたまスライドに書いてあった質問で答えは用意してあったのでそれを読みました。それに対してグループの子たちが何かしらリアクションをくれるのですが、どれも聞き取れません。「確かに」などと頷いて難を逃れました。

 

⑥その他大学生活

図書館の本はオンラインでリクエスト出して用意出来たらメールがきて、図書館のコレクトルームに置いてあるのを機械に通せばいいので英語要りません。で、このシステムを知るのに英語が要りそうなものですが、2019-20に日本で通っていた英語のクラスで一緒だった子が今同じ大学のPhDにいるのでその子に教えてもらっただけです。ラブ。

あと事務手続きで学生証をもらいにいったりしましたが、これもオンラインでスロットを予約して指定された場所に行くとボランティア学生が「学生証?!」と食い気味に聞いてくるのでYesと言って指定された番号の窓口に行ってメールをスマホで見せたら終わりです。英語要らない。ちなみに大学からのメールは即DeepLにぶち込みます。英語読みません。

 

と、ここまで英語できないけど全然問題なく生きてこれたのですが、いよいよそうはいかなくなってきました。エッセイです。11月の1週目はリーディングウィークとかいう謎の休みなのですが、これが明けたところにエッセイの締め切りがあります。といっても、とある授業の中間エッセイみたいな感じで1000ワードという多分普通の人にはちょろいやつなんですけど。1000ワードということは900ワードです(下限狙い)。Critical Summaryという、指定された論文のうち1本を選んで、サマリーと批判ポイントを書く、みたいなやつです。まず指定論文に日本語訳されているものがないか探したけどありませんでした。しかし背景に関しての解説本(日本語)が出ている超有名論文があったのでそれを選びました。トロッコ問題のやつです。トロッコ問題については日本語でも色々解説サイトが見つかるので背景はつかめたのですが、さすがに論文の細部については自力でやらなければなりません。そこでまずDeepLに突っ込んで、いつもならまとめノートを作るのですが、今回は本気なので日本語全文をワードに貼りつけます。翻訳バージョンの出来上がりです。それを読みました。ところどころ難しかったけど一応全体の要旨を掴み、なんとなく批判ポイントを探しだし、ここまで英語に頼らず(頼らず?)やってきました。

私は英語力を伸ばすという目標が留学計画に含まれていませんのでこんな感じでやっていますが、英語力を伸ばしたい、世界中の人たちと議論したい、などの目標がある人は本当にリスニングとスピーキングをめちゃくちゃ頑張ってきた方が良いと思います。頑張れ。

さて、あとは日本語でエッセイを書いて英文翻訳サービスを使うという最終手段があるのですが、さすがにそれはお金がないので、いよいよ英語に挑みます。健闘を祈ってください。